裏の言葉のやりとり

 朝晩涼しくなりました。コオロギの奏でる澄んだ音に、秋の訪れを感じます。稽古場では秋季公演「さよならパーティ」、そして、来年3月に行われるアドベンチャー公演の稽古が始まっています。
 先日、私のアルバイト先の同僚がいつもと違ったカジュアルなスタイルで仕事をしていた。私は、「ジーパンなんて珍しいですね」というと、彼女はちょっとはにかんで「そうかな?よくはいてるよ」と嬉しそうに言った。たったこれだけのことだった。それを思い返すと、私の「珍しいですね」という言葉の裏には、「以外と似合いますね」というニュアンスがあった。それを受けた彼女の「よくはいてるよ」という返事は、「ほめられて嬉しい」と読み取れた。
 会話は言葉が意味するものだけを受け渡ししているのではない。また、中に含まれる感情のやりとりでもない。真夏座の演技術を修練する内にそれと覚えたが、普段の生活の中でそれと気づく瞬間には、一人ほくそ笑んでしまう。
 日々の暮らしの些細な出来事の中にある、こういう発見の瞬間に、私はとても高揚する。そして、何だか得したような気分になる。 ぶーにゃん

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