役者は物語の案内役でもある

 以前、知り合いに、リハーサルのビデオ撮影をお願いしたことがあります。その方は、その時、初めてその芝居を見たのですが、舞台全体を映すだけでなく、実にタイミング良く、アップにしたり、周りのリアクションが入っていたり、物語の見どころが、充分に収められていて、驚きました。それで、その方に伺ったところ、「自分の見たいところを、自分の見たいように撮影しただけです」とおっしゃっていました。その答えは、上演した私たちにとっても、嬉しい答えでした。
 舞台では、ズームイン、ズームアウトを行うのは、実は、観客自身です。そこで、役者は観客がその時見るべきものを見失わないように、位置取りや、体の動きで、その手助けをします。役者は、いわば、物語の案内役ですね。
 役者が、見るべきところをちゃんと案内できないと、観客はすぐに、違う世界へ出かけてしまいます。観客が物語の道を見失わないよう、そして何より、観客がその芝居の世界を堪能できるよう、役者は、ツアーガイドとしての腕にも、日々、磨きをかけているのです。 ぶーにゃん

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