私たちを育ててくれた別役作品

 高校時代、私の演劇人生はそこから始まった。演劇部に所属し、文化祭や発表会、地方コンクールなどで数々の作品を上演したが、高校一年の終わりに、別役実さんの脚本に出会ったことが、今もわたしがここにいる理由の一つなのだと思う。
 高校を卒業後、私は東京へ出て本格的に演劇の道を歩み始め、とにかく、いろいろな劇団や演劇グループの芝居を観た。その頃は小劇場での演劇活動が盛んで、別役実さんの作品も多く上演されていた。私と同じく、あの脚本の持つ独特の雰囲気や世界観に魅了された演劇人がたくさんいたのだろう。しかし、芝居として満足のいく舞台はあまりなかった。
 そんな時、私たちの劇団の主宰である、池田一臣が演出した別役作品の舞台に出会った。「こういうことだったのか」と、すべてが腑に落ちた。内容がよくわかり、別役実の世界がより深く感じられる舞台だった。芝居が、作り手によって、こんなにも変わってしまうのだということを、初めて、実感した瞬間だった。
 それから、現代劇センター真夏座の別役作品の舞台を観て入団したメンバーが他にもいることを、最近になって知った。彼も私も、その後の別役実シリーズの舞台公演をこなすうちに、役者として成長してきたのだと思う。久しぶりの別役実シリーズとなる秋季公演は、本舞台だけでなく、稽古日がとても楽しみなのである。 ぶーにゃん

2 thoughts on “私たちを育ててくれた別役作品”

  1. 第135回公演情報ページの出演者名

    斎藤佳・澄赤松のり子

    斎藤佳澄・赤松のり子 の間違いではないですか。

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