「ガラガラ」余談

 よく、俳優養成所などで行われる、エチュード。つまり、練習用の小さな芝居ですが、舞台装置はなく、登場人物は2、3人。台詞やその場の状況などの指定はあるものの、その他のことは自由に発想して演技をしていきます。
 たとえば、そのエチュードの中に、「玄関を開けて入ってくる」という場面があり、ある新人俳優は、玄関を「ガラガラ」といって引き戸を開けるしぐさをして入ってきます。すると、「もっと発想を豊かにして」と演出家からの指摘があり、別の俳優は、「ガラガラ、ガタッ」と、引き戸が途中で引っかかってしまう、立て付けの悪い戸にしたり、また別の俳優は、「ガラ」と静かに開けて、中の様子を伺い、また「ガラガラガラ」と静かに開けたり…。
 実際の芝居では、そういった豊かな発想の中から、上演する芝居の内容や、自分の役にふさわしいものを選んでいくわけですが、それが、芝居の内容をより豊かにしていくのは間違いないと思います。
 本当に面白い芝居は、ストーリーや台詞の良さだけではなく、それぞれの俳優の発想の豊かさが、大きな役割を果たしていると、私は思うのですが…。 ぶーにゃん

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