想像力

 厳しい寒さが続いた今年の冬も、さくらの枝先の固いつぼみが、春の兆しを示唆しているようで、少しだけ暖かな気持ちになっています。
 ところで、かなり昔の話なのだが、紀伊国屋劇場で見た芝居の中で、舞台上に実際の雨が降った。芝居の内容はもう覚えていないが、舞台天井から落ちてくる、滝のような雨の映像と、その水はどこへ流れていくのだろうと思ったことが、頭の片隅にこびりついている。
 本物の雨が降らなくても、効果音や役者の身振りで舞台に雨を降らすことはできる。想像力によって、観客それぞれの心の中に、雨が降っている情景を作り上げるのだ。もしかしたら、お客様ひとりひとり、雨の降り方が違うかもしれない。想像力によって構築された世界は、自由であり、だからこそ、世界は広く、深くなっていくのではないかと思う。
 これもまた、芝居の楽しみのひとつであり、想像力がうまく絡み合った芝居は、強く心に残るのかもしれない。 ぶーにゃん

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