喜劇・隣人戦争

 先日、地下鉄に乗り、汗を拭っていると、「ねぇ、『三婆』見た?面白かったわよ。やっぱり波乃久里子は上手いわよね」という会話が耳に入った。水谷八重子、朝丘雪路、波乃が主演の舞台『三婆』の話らしい。「波乃さんは歌舞伎の家の人でしょう?他の人と芸が違うのよね」などど、得意げに、ひとりがもう一人の女性へ話しかけていたのだ。その話をしていたのは、いかにも、歌舞伎座や新橋演舞場などへよく足を運んでいるといった風の、年配の女性二人だった。私は、その先の会話が聞きたかったのだが、二人は降りる駅に着いてしまったらしく、大あわてて降りていった。
 ところで、稽古場では、秋季公演の稽古が始まっている。演目は小幡欣治・作の『喜劇・隣人戦争』だ。調べてみると、彼女たちが見た舞台の脚本は、別の作家によるものだったのだが、小幡欣治氏は、『三婆』(有吉佐和子・原作)の脚本・演出も手がけ、全国各地で何百ステージも上演、大きな話題を呼んでいる。
 『隣人戦争』も、気軽に楽しめる、ホームドラマコメディだ。役者の演じ方や演出で、より面白い芝居になる。そして、願わくば、いつか、どこかで、まったく知らない人に、「あの役者さん良かったわね」とうわさされたい。役者たちは皆、そう思っている。 ぶーにゃん

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